論理的に書く方法
説得力ある文章表現が身につく!
小野田博一 著
PHP文庫 2008年
得たもの
本書を読むと、「主張と根拠が論理的に正しくつながっているか」を強く意識できるようになります。なぜなら、本書の中では、多くの例文を用いて、主張と根拠がつながっていない例が繰り返し示されるからです。
普段なんとなくとしか論理を意識していないので、前半〜中盤までの「論理的な書き方」とは何であるかという解説は、日常生活の思考のレベルアップに有効でした。
受験対策上のご注意
本書の想定している読者は、「英語で学術論文を書く人」のように感じました。
診断士受験用のとあるテキストで紹介されていたのですが、受験には余分な内容も多く、時間に余裕がある段階でお読みになることをオススメします。
案外、論理的な文章の書き方の説明量は少ないので、タイトルとは違って、ハウツー本ではないでしょう。
マイナスの感想ですが、本書では“論理的でない文章”としていくつか引用があるのですが、論理的な文章を学ぶためとはいえ、他者が書いた哲学書などの論理を優先していない文章を、論理的でないと一方的に批判するのは、読んでいていい気はしませんでした。
その他、いくつか気になることもあったりするので、得るもののある本ではあるけれど、ストレスを感じる本でもありました。
最後に印象に残ったことばを引用します。
P35.「主張する」とは、「個人的な意見を事実として言うこと」でもありません。
P40.日本人は、ほとんど条件反射のように婉曲的な表現を使います。
P48.(自信があるのに自信なさげな文章を書くのは、反論を受けたくない気持ちからとる態度であり、)反論を聞く耳を持たないことの表明であって、フェアな態度ではありません。
P54.「こんなことでよいのだろうか」は、「こんなことではよくない」と主張する文ではなく、「こんなことではよくない」と読み手を暗示にかけようとしている文です。
P62.主張は他人を“強制”するものではない
P115.(「熱っぽく語ることが説得力を生む」という考えは誤解。熱っぽく語っても、)もともと同じ考えの者の同意を得るだけで、異なる考えの者の同意は得られません。
P119.日本では、意見への批判は人への批判と受け取られることがあるのです。
P234.結論は広すぎず、狭すぎず。広すぎると、根拠が結論を支えきれない。狭いと短い文章しか書けなくなる。