乙女と、乙女に恋する若者と、
奇天烈なその他の人たち(神含む)が、
古都・京都で織り成す物語。
文体やネーミングは50年前のもののようであり、
でもやっていることは、現代的である。
物語の世界は、とてもピュアである。
京都という街を“ろ紙”で、何度もこした後のようである。
乙女は好奇心に満ち、若者は乙女への恋路を直進し、
その他の登場人物も、各々の道をただ進んでいる。
そんな人たちが、木屋町で、学園祭で、下鴨神社で
交差する時、物語が生まれる。
ときおり、思わず涙しそうになることがあるが、
理由がよくわからない。
若者のひたむきさにか、
若者の願いが成就しそうになる喜びにか、
それとも、
“ピュアそのものの世界”
に涙しているのだろうか。
「夜は短し歩けよ乙女」
夜がこんなにおもしろいのであれば、
全てを知るには、確かに夜は、短すぎる。