2008年にこの世をさった著者は、晩年、大学で講義をもっており、その講義内容を中心にまとめられた本。
本来は、『青春と読書』に連載をおこない、それを新書として出版するという計画だったとのことだが、病のため2回をもって、連載は終了してしまった。
だが、冒頭の2章は、その2回の連載が収められており、それを読んでいくと、是非とも最後まで書いてもらいたかったと思う。
著者はジャーナリストであり、世論が一方に偏ることを危惧していたこともあり、一般には報道されないことも多々述べられている。
例えば、日本国憲法には、戦争をしないことは世界でもほぼ例のないことが書かれているが、もう一つ、男女平等も非常に珍しいこと。
また、日本に郵政民営化の圧力をかけたアメリカでは、郵政は国営であるということ。
世界の映画市場の7割以上がアメリカ製で、国によっては自国で作られた映画ではなく、ほぼアメリカ映画ばかりを楽しんでいる国があること。はたまた、ギリシャのテオ・アンゲロプロスという監督のこと、などなど。
日常生活では、情報源はテレビ・新聞・雑誌がほとんどだ。
おそらく、大メディアはウソはつかないだろうが、ある情報を伝えないということで、受け手側の印象を変えることはできる。
必要な情報をなんとかして収集し、自分の頭で考えることは、国家という集団の中で生きていく上では、不可欠だ。これは、会社組織にもいえることかもしれないが。
この本では終始、若者に足りないものを、示唆してくれている。
少なくとも、自分のもっている情報は、あちこち抜けていて、もっと勉強しなければならない、と恐怖に近い感覚をもって、思える一冊であった。
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