14冊目は、
経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか
ダグラス・ラミス 著
平凡社 です。
この本は2000年に出版された本で、少し古いのですが、いろいろな知見が得られました。
実は、大学時代に買って読んだ本で、2回目ですが、読みなおしてよかったと思います。大学時代よりも知識・経験が増え、以前よりもよく理解できたと思います。
この本の主題は、
「現在、私たちは、自分で自分を危うくしている。もう間に合わないかもしれないし、まだ間に合うかもしれない。でも、可能性にかけて変化を起こしましょう。」
というものだと思います。著者は現在の社会を、タイタニックに例えています。もうすぐ氷山にあたるぞ、という警告は何回も聞いて知っている、だけど、タイタニック上では、だれも警戒せず宴が続いている、それに、タイタニック号を停めれば、みんな仕事を失ってしまう、だから、みんなタイタニック号を停めようとしない、というものです。
この本を読んで、一番最初にやったことは、この読書マラソンのタイトルを人材活性化から人間活性化に変えたことです。
著者は人材という言葉は、人を生産の道具として扱う言葉だと述べています。私は、企業の生産効率をあげるために人材活性化という言葉を使ったり、勉強をしているわけではないので、人間の活性化というように言葉を変更しました。
著者はいろいろな観点から、現在の危機を訴えます。環境、戦争、国家、経済発展・・・
私は20代後半ですが、ものごころついた時には、今の日本のカタチはできあがっていました。ですから、上記の危機を、すでにある、“そういうもの”として受け入れてしまいがちです。「元々そういうものなのだから、しかたない」、と。
しかし、著者は豊富な知識から、社会のそういうものの、始まりを示したり、社会の仕組みが招いた事実を指摘します。このままでいいのかと、考えなおし、ダメだと思うなら、変化をおこすための行動をとるべきだと思うようになりました。
・環境を考えると、エネルギーはやがて枯渇します。
・憲法9条が改正されれば、いつか戦争に行くことになります。
・働いた時間分の賃金を受け取るために仕事をするなら、それは奴隷と何が違うのでしょうか。
・経済発展という言葉のもとで、貧困はなくなっているのか、貧困の種類が変わっているだけではないか。
・民主主義といいながら、国民の意見は反映されていない。
などなど、おかしいことは沢山あります。そういったおかしいことを続けているうちに、自分の尊厳はなくなり、無力感や、自己疎外感、ニヒリズムにおちいってしまうのではないでしょうか。
人間の活性化を考えるとき、社会の仕組みが、人間を不活性にしている事実にも注目しなければならないと思います。
「ダメだけれど、そういうもの」と考えている社会の仕組みについて目を向けさせてくれる本でした。