2011年1月23日日曜日

人を助けるとはどういうことか (13/100)




13冊目は、
人を助けるとはどういうことか
エドガー・H・シャイン 著、
金井真弓 訳、金井壽宏 監訳、
英治出版 です。

本書の原題である『HELPING』とは、「相手の役に立つこと」とのことです。本書では「支援」と訳されています。

支援はうまくいかないことが多いですが、どうやったら、相手の役に立つ支援ができるかが、本書のテーマです。

本書の中で明らかにされていますが、「支援」という人間関係の中でも、いろんな心の動きがあり、心のすれ違いから、支援がうまくいかないことが多々あります。

そんな小さな心の動きで、感情が影響を受けてしまうことを考えると、人間が活性化するのも、大きな枠組みだけでなく、人間関係の中の、小さな喜びでも、活性化につながりそうな気がします。逆に、小さなすれ違いで、やる気がなくなってしまったり。

本書で、一番興味を持って読んだのが、「ワンアップ・ワンダウン」という概念です。支援を求める側は、支援を求めることにより、一段低い位置に自分がいると感じます。支援をする側は、相手よりも、一段高い位置にいると感じます。支援関係のスタートがワンアップとワンダウンという対等の立場でないことが、支援がうまくいかないことの原因の一つである、とのことです。

もう一つ興味を持ったのが、「傾聴」の効果です。支援者が、支援を求めるクライアントの話をきちんと聴く事でクライアントは、話している内容や、ひいてはクライアント自身に価値があると示されたと感じ、自信を取り戻すのです。支援関係のスタートは、クライアントはワンダウンにいますが、傾聴する事で、ワンダウンから回復し、対等な関係に近くなり、支援関係がうまくいく可能性も高まります。

傾聴の効果は、支援者だけでなく、高齢者にも効果があると思われます。現在、傾聴ボランティア養成講座というものに通っていますが、このボランティアは話を聴くだけのものです。これはこれで難しいのですが、話を聴くことで高齢者の方は元気になる、とのことで、支援関係にもボランティアにも傾聴は効果があるのです。

人の心というものは、いろいろなものに影響を受けます。著者が提唱するプロセスコンサルテーションの原則の中にも、
「あなたがどんなことを行っても、それは介入、もしくはゆさぶりになる」
というものがあり、人間関係はどんどん変化していきます。それを考えても、人間が活性化し、それが持続するということは、とてももろいもののように思えてきます。

ただ、少なくとも、本書を読み、身の回りの支援関係を円滑にする事で、無用のトラブル・イライラを減らし、活性状態を疎外する要因を減らすことは明るい未来に近づく一歩だと思われます。

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