2012年4月15日日曜日

いらっしゃいませ(その他)




いらっしゃいませ
夏石鈴子 著
角川文庫 2006年

短大を卒業して出版社に入社した新入社員の女の子・鈴木みのりが主人公。

この本の魅力は、主人公みのりの独り言だ。

先輩社員や、同期、母親との会話の中での、口には出さないみのりの独り言。自己中心的で周囲に嫌な想いをさせる人に対する心の中の独り言。素敵な先輩に対する心の中の独り言。

みのりは、いいと思うこと、おかしいと思うことが、一貫していると思う。世の中で一般的に行われていること、よく見かけることでも、そういうものだと流さずに、ビシッと心の中で独り言をつぶやく。

採用試験、新入社員研修、入社してからの業務、同じ職場の人とのあつれき。いろんなエピソードがあるけれど、それほど大きなエピソードはない。だけど、エピソード毎にみのりの独り言を聞くたびに、一歩ずつみのりに近づいてひかれていく。そして、みのり自身も、入社して一年間でまた成長していく。

たぶん、私自身は、みのりが指摘するようなことに違和感を感じながらも、無意識レベルでとまってしまっていると思う。ちゃんと言葉にできていないので、モヤモヤした気持ちを募らせていると思う。だから、本書を読む中で、みのりの独り言で、自分の中のモヤモヤが言語化されていくのが楽しい。

繰り返しになるが、本書の中で大きな事件はない。だけど、みのりの一年間は、とても素敵な一年間だ。著者による、あとがき的な文章を読むと、とても大切な思い出を元に作られていることがわかる。みのりに寄り添って一緒に一年間を過ごしたような感覚。すがすがしさを得られる一冊だった。

最後に、印象に残ったことばを引用します。
P.43 君たちは、この会社に入ったからといって決して勘違いしないように。君たちは全然たいした人間ではないんです。
P.114 ふーん、バカはバカなりにいろいろなことをするものだ、とみのりは思った。
P.193 野菜だと、白菜の魅力は、いっぺんに伝わらない。そんな白菜のような女の子って確かにいるのだ。
P.200 卒業したって、入社したって、引越したって、ほんの少し日常が変わるだけで、あとはまた新しく日常が続いていくだけなのだ。
P.202 みのりは、別に結婚しなくても、結婚できなくてもいい、ただ恋愛して生きていきたかった。

2012年4月14日土曜日

「辞めない理由」と「Grazia5月号」(その他)






先日、「辞めない理由」 碧野圭 著 光文社文庫 を読みました。既婚・子持ち女性の、雑誌編集者としての仕事を描いた小説です。仕事について真面目ではあるけれど、社内政治や根回しに疎く、同じ職場の社員から好かれていなかった主人公・七瀬和美が、苦境におちいり、そこから復活するというストーリーです。

仕事の人間関係は、私もうまくできる方ではないので、うんうんとうなづきながら、主人公に感情移入してしまい、後半の復活劇には、少し強引で強運な展開にも呆れるよりも「よかったね」という気持ちの方が勝りました。仕事の人間関係のストレスを和らげてくれる本です。

ちなみに、主人公はワーキングマザーの雑誌の創刊により復活します。

そして、最近、電車の中吊り広告で「Grazia」(講談社)という女性雑誌が、ワーキングマザー向けに新装刊となったことを知りました。私は、読みたい衝動に駆られました。「多様なワークスタイルのこの時代、ワーキングマザーについて知っておくことも必要」という理由をつけて、購入してしまいました。

ただ、読んでみてわかったのは、本雑誌は、「働きたいから働く」という女性向けのようです。そして、金銭的な余裕がある人が対象のようです。靴も服もバッグも数万円で、それぞれがパートタイムで働く人の一か月分弱の金額をしています。

雑誌には、読者に夢を与えるという役割があることは確かです。ただ、金銭的に余裕があって「働きたいから働く」人を対象にするなら、通常の女性誌と大差なくなってしまうのではないかと思います。私が庶民目線すぎるのかもしれませんが、金銭的に余裕がなく、「家計の足しにするために働く」という人に対して、がんばれば手が届く範囲の夢を提供することも大切ではないかな、と思います。ファッションも、一ヶ月の手取り以内でのコーディネートの提案や、短時間で作れておいしい料理、短時間でも効果の高い子どもとのコミュニケーション法などがあればいいのではないかと思います。

本雑誌はターゲットが違うと言われればそれまでですが、家計のため、子どものため、家事も仕事もがんばっているワーキングマザーも応援したいなぁと思います。

グロービスMBA組織と人材マネジメント(22/100)



22冊目は、
「グロービスMBA組織と人材マネジメント」
ダイヤモンド社
2007年 第1版
です。

本書は、「組織と人材のマネジメント」といういわば“企業の仕組み”について、中心に書かれており、“個人の取り組み”である「組織行動学」についてはあまり、触れられてはいません。

本書では大きく分けて、3つのことについて書かれています。それは、
1.組織構造
2.組織文化
3.人事システム
の3つです。

私の解釈ですが、組織構造は「入れ物」です。そこに「人」が入って仕事をします。組織文化は、入れ物の中の人に関するルールです。人事システムは、入れ物の中の人を動かすためのシステムです。労働者にとって組織や人事は身近でなんとなくわかっている「暗黙知」だと思いますが、本書はそれを明文化してくれています。

本書において目新しかったことは、「社員というのは人間である」ということを強調していたことです。組織についての教科書の私のイメージは、なんだか無機質なものでしたが、組織は人間が集まったものであり、経済合理性だけでなく、感情も行動を左右するといったことが要所要所に記載されていました。
例えば、187ページでは、
「・・・こうした専門業務に長けたマネジャーは、部下を仕事のための道具、あるいは機能としか見なさないおそれがある。」
と、ちゃんと読者に注意しています。
言われてみればそうですが、会社の中では、それも当たり前という論理がまかりとおっているような気がします。また、消費社会でも同じで、例えばコンビニで買い物をするとき、店員と人間らしい会話はありません。店員側も自身を販売機能を備えた道具のように機械的な行動に徹しようとしている気もします。

本書では事例も多く紹介されており、理想的な会社がいくつかあります。
ただ、実際の世の中では、99.7%(419万社)が中小企業であり、かつ87.1%(365万社)が20人以下(卸・小売・飲食・サービスでは5人以下)の小規模企業です。
従業員数でみても、62.9%(2450万人)が中小企業で働いています。組織構造や人事システムの整備されていない組織環境で働いている人は大勢います。また、本書で書かれているマネジャーが中小企業では経営者を兼ねていることも多く、マネジャーとしてすべきことができていない会社も多々あることでしょう。私は、将来、人事労務コンサルティングをやりたいと思っていますが、やりがいがありそうです。

本書の読書会のワークで、過去に属していた会社組織について改善案を考えるというものがありました。振り返ってみると、組織と人材マネジメントについて問題点はたくさんありました。こうして距離をおいて、数年の仕事経験を積み、また企業経営や会社組織の多少の知識を身につけた今では、新しい改善案なども見えてきました。一社員が変えることができるもの、変えることができないもの、その見分けは当時の私には全くできていませんでした。そして、一人で突っ走って倒れてしまった、という感じです。そして、何もできなかったという思いが、今の私を人事労務コンサルタントへ向かわせていると感じています。

最後に、印象深かったことばを引用します。
P.ⅱ 人は経営資源の一つだが、同時に他の資源を有効活用できる資源でもある。人という資源がない限り、他の資源は付加価値を生み出さない。
P.28 人が競争優位の源泉であることを考えると、昨今の組織と人材のマネジメントの最終的な目的は、人の成長をサポートすることともいえよう。
P.46 人の心を動かすのは人の心である。
P.194 スリーエム「普通の人が並外れた成果」を出せるようにすることが同社の組織と人材のマネジメントの目標。
P.202 中村屋、相馬愛蔵「己の生業を通して文化・国家に貢献する」
P.219 リクルート「会社と個人はWin-Winの関係を目指すビジネスパートナー」

2012年4月8日日曜日

番外編:お花見

今日は妻と万博公園に桜をみにいってきました。
先日、足し算の人間観という日記を書きましたが、今日のお花見という出来事が、また自分の人生に足されました。
特に変哲もない普通のお花見でしたが、ない状態とある状態では比較になりません。
途中、お弁当を食べながら、こういう時間を持ててよかったなぁとしみじみ感じました。
試験に合格するとか、家を買うなどの将来の大きなライフイベントだけを見ていると、お花見などささいなこととして流してしまいそうですが、あらためて「今・ここ」にあるお花見の時間を正面から見つめた時、すごくすばらしい時間を過ごしていると感じました。

2012年4月7日土曜日

5/20(日)【関西】【第2回】中小企業診断士二次勉強会

日時:2012年5月20日(日) 13時~17時
場所:大阪市立城北市民学習センター 第4会議室
   〒535-0031 大阪市旭区高殿6丁目14番6号
地図:http://osakademanabu.com/shirokita/
費用:会議室代3360円を参加人数で負担。
   (一人あたり負担上限は1000円とします。)
定員:6~7名(2名以上で開催します。)
内容:平成20年事例2(温泉旅館の事例)


関西で、診断士の二次試験の勉強会を開催します。

今回は、平成20年の事例2(温泉旅館の事例)を80分で解き、その後、各参加者の解答について、得点アップや、妥当性を高めるにはどう書けばいいかを話し合います。

参加を希望される方は、mixi内のコミュニティに、イベントページがありますので、mixiにて参加希望の旨のコメント記入をお願いいたします。
URL:
 http://mixi.jp/view_event.pl?id=68899920&comment_count=0&comm_id=55131

又は、mixiアカウントをお持ちでない方は、playingcanon■yahoo.co.jp(■には@を入れてください。)まで、メールいただければと思います。
勉強会の内容の希望等がありましたら、合わせてご記入ください。


二次試験は解答が発表されません。独学の場合、自分の解答の良し悪しを客観的に判断することは困難です。そのため、解答の得点アップや妥当性を高めるには、記述をどう変えればいいか判断するのは難しいです。

勉強会形式であれば、客観的に、各自の解答をみる良い機会となります。

各参加者の解答について、得点アップや妥当性を高めるにはどう書けばいいかを話し合うことで、それぞれの参加者の解答レベルが向上すると考えています。

ただ、得点アップや妥当性向上の判断材料があった方がよいと思いますので、
「ふぞろいな答案分析」「TAC過去問題集」「同友会過去問題集」「事例攻略のセオリー」の4種類の解答を準備しておきます。

過去問ダウンロード先(中小企業診断士協会)
http://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html

解答用紙ダウンロード先(受験学校AAS様)
http://www.aas-clover.com/school/2sokuhou.html

その他の勉強会のメリット
・受験仲間ができる。
・試験情報の交換ができる。
・モチベーションアップ。
・自身の思考のクセが見つかる可能性あり。

この勉強会により、試験合格はもとより、将来のコンサルティングに活きるような読解力、分析力、論理力、記述力等が向上することを願っています。

【次回以降告知】
【第3回】6月30日(土) 13:00~17:00 大阪市中央公会堂
【第4回】9月15日(土) 13:00~17:00 大阪市中央公会堂

※おことわり※

以下の行為は禁止します

・宗教、ネットワークビジネス、自己啓発、高額セミナー(アバター等)、キャッシュフローゲームへの勧誘目的の参加
・ナンパ・異性との出会い目的の参加
・参加者に迷惑をかける行為、誹謗中傷、暴言など
・法律並びに公序良俗に反している行為
・連絡なしのドタキャン(参加できなかった方に申し訳ないので今後の参加をお断りする場合があります)
・勉強会終了後のメッセージなどによる勧誘行為

以上、参加申し込みやお問合せをお待ちしております。