2012年4月14日土曜日

グロービスMBA組織と人材マネジメント(22/100)



22冊目は、
「グロービスMBA組織と人材マネジメント」
ダイヤモンド社
2007年 第1版
です。

本書は、「組織と人材のマネジメント」といういわば“企業の仕組み”について、中心に書かれており、“個人の取り組み”である「組織行動学」についてはあまり、触れられてはいません。

本書では大きく分けて、3つのことについて書かれています。それは、
1.組織構造
2.組織文化
3.人事システム
の3つです。

私の解釈ですが、組織構造は「入れ物」です。そこに「人」が入って仕事をします。組織文化は、入れ物の中の人に関するルールです。人事システムは、入れ物の中の人を動かすためのシステムです。労働者にとって組織や人事は身近でなんとなくわかっている「暗黙知」だと思いますが、本書はそれを明文化してくれています。

本書において目新しかったことは、「社員というのは人間である」ということを強調していたことです。組織についての教科書の私のイメージは、なんだか無機質なものでしたが、組織は人間が集まったものであり、経済合理性だけでなく、感情も行動を左右するといったことが要所要所に記載されていました。
例えば、187ページでは、
「・・・こうした専門業務に長けたマネジャーは、部下を仕事のための道具、あるいは機能としか見なさないおそれがある。」
と、ちゃんと読者に注意しています。
言われてみればそうですが、会社の中では、それも当たり前という論理がまかりとおっているような気がします。また、消費社会でも同じで、例えばコンビニで買い物をするとき、店員と人間らしい会話はありません。店員側も自身を販売機能を備えた道具のように機械的な行動に徹しようとしている気もします。

本書では事例も多く紹介されており、理想的な会社がいくつかあります。
ただ、実際の世の中では、99.7%(419万社)が中小企業であり、かつ87.1%(365万社)が20人以下(卸・小売・飲食・サービスでは5人以下)の小規模企業です。
従業員数でみても、62.9%(2450万人)が中小企業で働いています。組織構造や人事システムの整備されていない組織環境で働いている人は大勢います。また、本書で書かれているマネジャーが中小企業では経営者を兼ねていることも多く、マネジャーとしてすべきことができていない会社も多々あることでしょう。私は、将来、人事労務コンサルティングをやりたいと思っていますが、やりがいがありそうです。

本書の読書会のワークで、過去に属していた会社組織について改善案を考えるというものがありました。振り返ってみると、組織と人材マネジメントについて問題点はたくさんありました。こうして距離をおいて、数年の仕事経験を積み、また企業経営や会社組織の多少の知識を身につけた今では、新しい改善案なども見えてきました。一社員が変えることができるもの、変えることができないもの、その見分けは当時の私には全くできていませんでした。そして、一人で突っ走って倒れてしまった、という感じです。そして、何もできなかったという思いが、今の私を人事労務コンサルタントへ向かわせていると感じています。

最後に、印象深かったことばを引用します。
P.ⅱ 人は経営資源の一つだが、同時に他の資源を有効活用できる資源でもある。人という資源がない限り、他の資源は付加価値を生み出さない。
P.28 人が競争優位の源泉であることを考えると、昨今の組織と人材のマネジメントの最終的な目的は、人の成長をサポートすることともいえよう。
P.46 人の心を動かすのは人の心である。
P.194 スリーエム「普通の人が並外れた成果」を出せるようにすることが同社の組織と人材のマネジメントの目標。
P.202 中村屋、相馬愛蔵「己の生業を通して文化・国家に貢献する」
P.219 リクルート「会社と個人はWin-Winの関係を目指すビジネスパートナー」

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