著者は疎外感を感じたり、抵抗できなかったり、失望したりした時に感じるような言い表しがたい気持ちを、一番近いものとして、心の“傷”だと表現した。
いや、実は傷ついているのに、自分で傷ついていると認めず、まわりの人からも傷ついていると認めてもらえないものを、確かに傷だと表現した、という方が正確かもしれない。
そんな傷と認められない心の動きを、無視するのではなく、傷として認め、そして手当てをする。誰かの心が傷んだ場所に包帯をまくことで傷を認めてあげ、本人も傷だったと認めることができるようになり、治癒もできるようになる。
現実に大人は、大小無数の傷だらけなのではないかと思う。傷を傷だと気づくこともなく、見かけは立派でも内心は無数の痛みに縮こまり、これ以上の痛みを拒んでいる。
大人になることはすれっからしになることだ、と思うのも、こんな大人ばかりを見ていたからだろう。
10代が感じる痛みと、自他の痛みを痛みと感じなくなることへ抵抗する姿が、非常に上手に描写されている。
痛みを感じる・認める素直さは失いたくないし、失ったものは取り戻したいと同じく思う。
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