(書籍カテゴリー:その他)
社会学の名著30
竹内 洋 著
ちくま新書 2008年
社会は、人間の集まりでありながら、個々の人間が持たないような特徴やルールを持っています。そして、社会を構成する人間を縛ります。社会には、世界や国家、地域だけでなく、会社組織や家庭も含まれます。それらの特徴やルールを知ろうとするのが社会学なのでしょう。
私個人は、社会について非常に無知であると思います。知っているのは自分自身と身近な人たちについてと、育った家庭、結婚して築いた家庭、いくつかの会社等に関する一部だけです。社会学を学ぶことで、身近な社会についての理解を深めることができるでしょう。社会学を学ぶことなく、経験だけで社会を知ろうとするなら、理解できる程度はしれているだろうと思います。人生において充実した時間を増やすためには、社会学を学び、経験で実証するといった方法が必要でしょう。
本書では社会学の名著30冊を著者のエピソードを交えながら紹介しています。著者のエピソードはわかりやすいので、原書がどういう内容かも、イメージがつかみやすいです。また、ここ百数十年の社会学の歴史を知ることもできます。今でも通用することが百数十年前には発表されていたようです。著者を信じるならば、30冊の中にハズレはないはずです。図書館や本屋にある本からフィーリングで選ぶのならば、この30冊からフィーリングで選んでみてはどうでしょうか。この30冊から、読んでみようという原書に出会えれば、この書籍の数百円という価格以上の価値があるのではないでしょうか。当レビュー達も、本書のように、人間活性化の名著30冊をピックアップしたまとめにしたいものです。
読んでみようかと思った本
ピーター・バーガー、社会学への招待
ピエール・ブルデュー、ディスタンクシオン(文化資本)
イヴァン・イリッチ、脱学校の社会
上野千鶴子、家父長制と資本制
アーリー・ホックシールド、管理される心
ロバート・D・パットナム、孤独なボウリング
中山茂、歴史としての学問
印象に残った文章
P21、人生本来戯れと知りながら、この一場の戯れを戯れとしないでまじめに勤めていくことが大切である。・福沢諭吉
P56、人は「生まれながらに」できるだけ多くの貨幣を得ようと願うものではなくて、むしろ簡素に生活する、つまり、習慣としてきた生活をつづけ、それに必要なものを手に入れることだけを願うにすぎない・マックス・ウェーバー
P143、作田啓一、「恥」は所属集団を準拠にしての優劣感情(公恥)によるものだが、「羞恥」は、所属集団をこえた準拠集団などの視点から生じる恥じらい感情(私恥)である。
P190、ひと昔まえは、校長や教頭が男で、女性はすべてヒラ教員という教員構成がなされていた。顕在カリキュラムが男女平等をうたい、男子生徒と女子生徒を平等に処遇しても、教員序列の男女の差異が隠れたカリキュラムとなり、男性は管理職になるもので、女性はなれないということを暗黙のうちに、だからこそ強く学習してしまう。
P198、上野千鶴子、解放の思想は解放の理論を必要とする。誰が、何から、いかに解放されたいのかを知らなければ、現状に対する不満や怒りのエネルギーは、方向を見失う。
P213、堪忍とは分に安んじ、あくまで辛抱し、屈辱にも堪え忍ぶこと
P217、表層演技は感情と演技にすきまが生じるから「感情的不協和」になりやすいが、深層演技は両者のすきまをなくした心の総動員であるから感情的不協和を解消する。
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