29冊目は、
二宮金次郎
和田 傳 著
2003年 童話屋
です。
小学校の校庭で出会ったことのあるであろう偉人の伝記です。
伝記というのは、大人になってからの方がよくわかる内容があったり、新たに勉強となることもあるものですね。
久しぶりに伝記というものを読み返して、そう思いました。
二宮金次郎(尊徳)は、子どもの頃から、よく働き、よく学びました。
大人になってからは、人のために尽力しました。
やるべきこと・できることをしっかりやり、易きに流れませんでした。
貧しい者・弱い者への優しさがありました。
さすが、伝記となる人物ですね。
その理由として、二宮金次郎自身が子ども時代は貧しかったということがあります。
貧しさを克服し、子どもの頃は先祖からの家を再興するという責任感をもっていました。
それが、よく働く・よく学ぶというモチベーションの源泉となっていたのでしょう。
また、母親に学があり、貧しくなる前には四書などを読み始めていました。
それが、二宮金次郎と学問をつなげることになりました。
そして、学ぶ中で、人の道を知り、強い者・富める者は、弱い者・貧しい者をたすけいつくしむものだという考え方をもっていきました。
コンサルタントの野口吉昭氏は、二宮尊徳は日本で始めてのコンサルタントではないかと称しています。
二宮金次郎(尊徳)のコンサルタントとしての知恵には下記のようなものがあります。
・小を積んで大を為す。(貧しい子どもの頃、捨ててある苗と小さな土地で米を作った。)
・歩きながら、働きながらも、勉強する機会を見つける。(例の薪を背負った像)
・子ども時代の川普請で、大人並みには働けないので、労働者のためにわらじを作った。(間接的に役立つ。)
・現金がない人にも貸し売り(掛売り)することで、得がとれる。
・入るをはかって、出ずるを制す。(入ってくる金の範囲内で、分に応じた生活をする。)
・五常講(仁・義・信・礼・智 講の仲間は月々お金を出し合って積立金を作る。そこからお金の必要な仲間に安い利息で貸し出す。)
・荒地を開くには、荒地の力でやる。
・報徳(徳をもって徳に報いる。人間の徳、真心と努力と勤労をもって、天地自然の徳に報いる。)
・秋なすの味。(夏のはじめに食べたなすが秋なすの味がするからと、凶作を感じとり、対策として年貢を減らし、ひえを作らせた。)
・国にして三年の蓄えなきは国にあらず。(礼記より。)
・飢饉のときは上に立つものから死ね。(土地と人民があって、領主や重臣がある。)
・人の道。(「衰微のあらわれるには、かならず、その根元がある。富者となるも、貧者となるも、かならずそのいわれがある。それは道の盛衰があるからだ。道とは、それは人道だ。強いものが弱いものを、たすけいつくしむことだ。」)
・馬の食わぬ豆。(紙に書いた豆では食べられない。実際に役立つ生きた学問をする。)
・政治というものは、取ることと、ほどこすこと、この二つのほかにはない。
・すべて天下の田地は、いく百万町歩あろうとも、すべてみな一くわずつたがやし、一かきずつかりおさめるもの。
・人がまさに死のうとする時は、そのいうことは善である。
二宮尊徳を詳しく知るには、「二宮尊徳全集」「報徳記」「二宮翁夜話」「二宮尊徳伝」などがあります。
二宮尊徳は、農民の出身だったために、藩の立てなおしを命じられた時には、武士である部下の反発もあり、力をうまく使えませんでした。
能力を認めず、出自や肩書きで評価する者が多いのは、今も同じです。
能力を見極められるよう、人を見る目を養いたいと思います。
人間活性化の観点から考えると、二宮尊徳のように人の役に立ちたいと思います。人が幸せに元気に生きれるよう役に立ちたいと思います。
また、天は自らたすく者をたすくといいますが、勤勉さや易きに流れないことは重要だろうと思います。
人生を諦めたり、流したりすると、幸運や元気さが抜けていってしまうように感じます。
また、人の道として、強い者・富める者が弱い者・貧しい者をたすけいつくしむことの重要性が書かれていますが、これは、ノブレス・オブリージュのようです。
人の道を踏み外さないことは、本人にとってもエネルギーになるのだと思います。
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