2012年12月30日日曜日

コンサルティング・コーチング (30/100)



30冊目は、
コンサルティング・コーチング
中小企業診断におけるコーチング・スキルの活用
(社)中小企業診断協会 編
2001年 同友館
です。

本書は、コンサルタントがコーチングをおこなうための手引き書です。 
コーチングは対人スキルであり、コミュニケーション同様、練習が必要です。
身体記憶・作業記憶に近いと思います。
わかるとできるは違うため、本書を読んで終わりではありません。 

コーチングは人材育成や課題解決に有効なスキルであり、経営者はコーチングを必要としている人の一人です。
コンサルタントはコーチの役割を担うことでも可能で、そうなると、経営に与える効果はさらに増すと考えられます。 
コンサルティングとコーチングの違いは、コンサルティングは「与えるもの」、コーチングは「引き出すもの」、であり、相手の状態により使い分けます。
(ちなみに、本書では、カウンセリングは「探るもの」とのことです。) 

本書は、軸足はコンサルティングにおいてあり、そこへコーチングという付加価値のつけ方をまとめています。
 コーチングの質問例も、あくまで経営コンサルタントとしてのものが多く紹介されており、実践する時に役立ちそうです。
コンサルティングとコーチングを合わせる時の調整として、本書は役に立ちそうです。


人間活性化の観点から、本書をみると、 P64、「相手の心理状態に応じて使い分ける」 という、箇所が特に参考になりました。
 どういうことかというと、相手の状態を下記の4つに分けています。
1.行動状態(すぐに動ける)
2.可動状態(なかなか動けない)
3.不安状態(不安がありじっくり考えられない)
4.精神障害

それぞれに有効な手段として、
1.行動状態=コンサルティング・コーチング
2.可動状態=コーチング
3.不安状態=カウンセリング
4.精神障害=心理療法
となります。 

つまり、本書では、相手が2の可動状態であれば、いきなりコンサルティングを実施するのではなく、コーチングにより、1の行動状態に移行してからコンサルティングを実施するのが有効だと述べています。 
この考え方は、人間活性化についても同様だと思います。
活性化モデルにおいて、活性化反応を、コンサルティングとコーチングのように分類はできていませんが、「与えるもの」と「引き出すもの」といった違いはあると思います。 
現状が行動状態にあるのか可動状態にあるのか、はたまた不安状態にあるのか精神障害にあるのか、知ることが重要だと思います。
不安状態であれば、カウンセリングが重要であるように、その原因の除去が必要です。 
人間が活性化している状況は、行動状態だと思います。
今、不安状態なのであれば、まず可動状態を目指し、そこから行動状態に移行していくのがいいと思います。
人間活性化モデルがより精緻化されたと思います。 


最後に印象に残った言葉を引用します。 

P8.コーチと経営者の間には利害関係がまったくないため、経営者はコーチには本音を話し、本音を話せる相手が見つかった経営者は、見違えるように変わってくるケースが多い。

P15.人は誰でもよい仕事をしたいと思っている 

P53.コンサルタントは自身の持つノウハウや改善策をクライアントに提供するのが仕事ではあるが、時には、問題解決のために積極的に話を聞こうという姿勢や、みずから相手に近づこうとする姿勢をとることが必要である。 

P74.自らゴールを定め、とるべき行動を選択した経営者は、ほとんどの場合、十分な成果をあげている。これは本人が出した答えに「当事者意識」を持って臨むからである。 

P78.中小企業ならではのコーチング・メリットも大きい。中小企業は全社的に影響を与えることが可能であり、コーチングを応用した成果が得られやすいと考えられる。

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