2013年1月27日日曜日

なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか? (36/100)




36冊目は、
なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか
吉田典生 著
日本実業出版社 2005年
です。

本書の内容は、タイトル通りです。
「できる人」へと、うまく育てられない現実について、その理由がまとめられています。
人を育てようとする人が知っておくべきことが書かれています。

著者はコーチングのプロコーチでもあり、『便宜的に「できない人」という表現は使うけれども、本来は誰でも「できる人」』だと、コーチらしく述べています。

人それぞれ異なるけれど、誰もができる人になることができる。
まさしくコーチングの原則に則った人が育っていくための内容でした。

本書内でも述べられていますが、組織を強くしようと思うと、できる人を増やすことが重要になります。
しかし、人はそんなに都合よく育つものではありません。
人はみな、同じ道を通って「できる人」になっていくわけではありません。
また、スタート地点もさまざまです。
サポートしてくれる人の有無も異なります。

ですから、「できる人」は、自分がやってきたように「できない人」を指導してもうまくいかないことが多いです。
また、「できない人」の成長を妨げることもあります。
「できない人」を依存させることや、「できない人」との間に溝を作ってしまうことにもなりかねません。

・常識は共通ではない。
・仕事が全てでない人もいる。
・頭の回転も人それぞれ。
・やる気のでる要因も異なる。

ポイントとして、できない人について知り、相手を受け入れることがスタートだと述べられています。
そして、相手に合わせてこちらの行動も適したものに変えていきます。
テクニックとして、「相手への伝え方」や「引き出す対話の仕方」がありますが、まずはスタート地点に立つことが何よりも重要です。

本書では企業の中の「できない人」のできない理由が、わかりやすく述べられています。
本書を読んで、現実の相手を受け入れることができれば、歯車は回りだすことと思います。

本書はコーチングの考え方が含まれていることもあり、「人を人として見ている」と感じました。
組織の部品ではなく、生きている人として、人間観の土台の上で構成されていました。
本書は社会人2年目の頃に読みましたが、社会人8年目となる今の方がいろいろといい気づきを得られたと思います。

人間活性化の観点から本書を読むと、

・生きがいを持つことの重要性。例えばプライベートで生きがいを持つと、仕事にも良い影響がでる。
・自己認識は、環境の認識に影響を与える。例えば、「できる人」はマイナス環境にもその先にプラスがあることを見出す。「できない人」は、マイナス環境をマイナスと受け取る。
・期待されるということは、人の力を引き出す重要な要素。
等の記述があり、参考になりました。


最後に印象に残った言葉を引用します。
P.41 小さな子どもが必死で走っているスピードは、大人のジョギング以下のスピードです。でも、もっと早く走れと怒鳴る親はいないでしょう。
P.56 どんなことでも、部下に不満を感じたら、そこに罠があるかもしれないと思ってください。
P.69 年功序列でまったくダメだった人が、成果主義を取り入れたら急に元気になったとか、年功序列で先頭を走っていた人が、成果主義でビリに落ちた・・・という話は、ほとんど聞いたことがありません。
P.109 来月の給料がどうなるかわからない人は、10年後の自分を真剣に描こうとはしません。
P.112 「過去の自分を受け入れる」、「新しい視点で物事を見る」、「可能性に目を向ける」・・・・・・といったプロセスは、流れ作業的に行うべきではないと私は考えます。
P.170 「自分で育つ」環境を創ることこそが、「できる人を育てる」ことになるのです。
P.181 「できない人」へのネガティブイメージは、正のアウトプットの代償として蓄積された毒素のようなものです。
P.190 「できる人」を目指す人と「できる人を育てる人」は、お互いに育て合うのが理想の関係です。
P.207 「できない人」は花の咲かない人ではなく、太陽の光や豊かな土、水の足りない人なのです。

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